「フェルメールの2点の「真珠」が上野に来訪中(その2)」のつづきは、国立西洋美術館での「ベルリン国立美術館展」。
入場待ちの列が伸びていた「マウリッツハイス美術館展」@東京都美術館とは違って、こちらは待ち時間なしですんなりと入場できました
そして、、、「第1章 15世紀:宗教と日常生活」では、予想に反して、多くの彫刻・レリーフが展示されていました。それはそれで構わないのですが、キリスト教徒でもなく、キリスト教関連の美術にさほど興味を持てない私にとっては、何点もの聖母子像やら何点もの「龍を退治する聖ゲオルギウス」を観るのはちょっと退屈…
それでも、なかなか美少年な「福音書記者聖ヨハネ」(彫刻)はよござんした
「第2章 15-16世紀:魅惑の肖像画」では、さほど「魅惑」してくれる作品には出会えなかったものの、やはり教科書で見た「マルティン・ルターの肖像」は、ほぉ~っとしげしげと拝見させていただきました。
この「マルティン・ルターの肖像」の作者は、「ルーカス・クラーナハ(父)の工房」とされています。
クラーナハさんが個人でクレジットされている作品が「第3章 16世紀:マニエリスムの身体」で展示されていました。
「ルクレティア」です。

ルクレティアは人名でして、こちらを引用しますと、
前510年ごろ没したとされる,古代ローマの伝説上の貞女。伝説によれば彼女はタルクイニウス・コラティヌスの美貌の妻であったが,ローマ王タルクイニウス・スペルブスの子セクストゥスに強姦され,親族に復讐を託して自害した。彼女の死は王一族の暴政に対するローマ市民の憎悪をかきたて,彼らは蜂起して王を追放し,共和政を樹立したと伝えられる(前509)。
だそうで、クラーナハの作品は、まさに自害しようとするルクレティアを描いたもの。
でも、なんですっぽんぽんで自害しなくてはならないのでしょうかねぇ… また、同じクラーナハの「ヴィーナス」とそっくりだし…
どうもパッと来る作品が少ないなぁ~と思いつつ、「第4章 17世紀:絵画の黄金時代」。
このコーナーは、ベラスケス、レンブラント、ルーベンス、そしてフェルメールと、おおどころが妍を競っていました
そんなおおどころの作品の前に、こちらの作品に見入ってしまいました

ヤン・ダヴィドゾーン・デ・ヘームの「果物、花、ワイングラスのある静物」です。
とても17世紀の作品とは思えない素材・描写・美しさ
この作品に惹き付けられるのは私だけではないようで、「真珠の首飾りの少女」に次いで多くの観客を集めていました。
私、デ・ヘームなる画家をこの時までまったく知りませんでした。
ところが、この後に観た国立西洋美術館の常設展でもデ・ヘームの作品が展示されていました、、、
って、こちらの「果物籠のある静物」は、ヤン・ダヴィドゾーン・デ・ヘームのご子息:コルネリス・デ・ヘームの作品でした
調べてみると、マウリッツハイス美術館は多くのヤン・ダヴィドゾーン・デ・ヘームの作品を所蔵しているようで、もしかすると「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」にも来ているかもしれませんナ。
さて、この展覧会では「第4章 17世紀:絵画の黄金時代」が一番楽しめました
ただ、残念だったのはレンブラントの「ミネルヴァ」のライティング
背景に「メデューサの頭が描かれた盾」が描かれているらしいのですが、絵の表面がテカテカと光ってよく見えません 角度を変えて見ても、やはりダメ
国立西洋美術館ともあろう会場で、こんなライティングをするなんて、ちょっと信じがたい
こんな不満を持つのは私だけではなさそうだし、この展覧会が始まって1か月が過ぎているというのに、修正するつもりはないのでしょうかねぇ…
一方、「ミネルヴァ」の隣りに展示されていたレンブラント派による「黄金の兜の男」は、暗い画面の中、黄金の兜が光り輝くようで、いかにもレンブラント派 でした
そして、この展覧会の目玉、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」
さすがに、結構ユルユルに観られた「ベルリン国立美術館展」では特段に人だかりしています。
それでも、ちょっと辛抱(がまん)すれば、近くから観ることができました。
やはりいいなぁ~
柔らかい光が、いかにもフェルメール
ところで「真珠の首飾りの少女」の女の子、「フェルメールからのラブレター」展(記事はこちら)で観た「手紙を書く女」の女の子ですよね。
宮城県美術館でこの作品を観たときよりも、ずっとゆったりと「真珠の首飾りの少女」を観ることができたのは、閉館1時間前という時間帯もあったのでしょう。
やはり混んでいる展覧会は、焦らなくてすむ程度に閉館間際が良さそうです。
さて、「第5章 18世紀:啓蒙の近代へ」では、ヨハン・ゲオルク・ディルの「戴冠の聖母」(彫刻デス)が良かったぁ~
もしかすると、この展覧会では一番の「お持ち帰りしたい作品」だったかもしれません。
衣装のヒダヒダがステキだし、お顔立ちが端正で麗しいし、なにより素材の砂岩の質感がすんごくいい
衣装は絹のような滑らかな生地ではなく、麻か綿のちょっとゴワゴワした生地なのではなかろうかと思えます。もしこの作品が大理石で創られていたら、まったく違う印象なんでしょうねぇ。
最後の「第6章 魅惑のイタリア・ルネサンス素描」では、ダンテの「神曲」の挿絵、ボッティチェッリの素描に人が群れていました。
ちょうど、日本美術の展覧会で絵巻物を観るのが大変なのと似た感じで、もしかすると、この作品が一番観るのが大変だった気がします。
個人的にもさほど興味が無いし…と、これで「ベルリン国立美術館展」の鑑賞はおしまい
ここまで読んでいただいて感じられると思いますが、個人的には「ちょっと…」な展覧会でした。
「ミネルヴァ」のライティングの問題だけでなく、各セクションのタイトルがイマイチだし、展覧会のサブタイトル「学べるヨーロッパ美術の400年」はセンスが悪いし、作品も私にとっては退屈なものが多かったし…。
とかなんとか言いながら、「真珠の首飾りの少女」をあしらったポスター(B2サイズ)と「果物籠のある静物」の額絵をおみやげに買いましたとさ。
つづき:2012/07/16 フェルメールの2点の「真珠」が上野に来訪中(その4)
