つれづれなるまゝに 日くらしPCにむかひて 心に移りゆくよしなし事を
そこはかとなく紫煙に託せば あやしうこそものぐるほしけれ

大阪・奈良・京都のハシゴ旅 #2-2

「大阪・奈良・京都のハシゴ旅 #2-1」のつづきは、「超 国宝 祈りのかがやき」展@奈良国立博物館(奈良博)の見聞録です。

前日の「日本国宝展」@大阪市立美術館では、最初の展示室でものの見事に「掴まれた」(記事)、この展覧会はどうなのだろう とワクワクドキドキしながら会場に入りました。

すると、待っていたのは、中宮寺「菩薩半跏像」と共にこの特別展のメインビジュアルに起用されている法隆寺「観音菩薩立像(百済観音)」でした

私にとっては、2016年9月に法隆寺大宝蔵院でお目にかかって以来、約8年半ぶりに目の当たりにする百済観音は、やはり大きくて、存在感があって、そして、なんとも優しいお姿でした。

そして、百済観音をお守りするように立っているのは、いつもなら法隆寺金堂で御本尊の釈迦三尊像をお守りしている四天王のうち広目天と多聞天でした。

この四天王もまたイイのですよ
普段の「職場(定置場所)」は、金堂と大宝蔵院と違っていても、百済観音とも息ピッタリ(?)に、展示室内に静謐な雰囲気をかもし出していました。

日本最古、650年頃(飛鳥時代)に造られたと考えられているこの四天王像は、後世の、邪鬼踏みしめて辺りを威圧する感じではなく、邪鬼から「どうぞ背中にお立ちください」とでも言われたかのように、すっくとお立ちになっていて、なんとも端正、なんともお上品

8年半前のこちらの記事に、

四天王像でまず連想するのは、東大寺戒壇堂ダイナミック威厳に満ちた四天王像ですが、650年頃(飛鳥時代)に造られた法隆寺金堂の四天王像と、760年頃(天平時代)に造られた東大寺戒壇堂の四天王像、まったくトレンドが違うのが面白い
加えて、飛鳥時代(538~650頃)天平時代(710~790年頃)の間に入る白鳳時代(650年頃~710年)も独特のトレンドを持っていて、仏教伝来から200年弱の間の日本の仏像彫刻の変遷(進化・深化)目覚ましいものがあると、常々思っている私です。

と書きましたが、この考えはまったく変わっていません

   

この「超 国宝 祈りのかがやき」展は、以下の章立てです。

第1章 奈良の大寺
第2章 奈良博誕生
第3章 釈迦を慕う
第4章 華麗なる仏の世界
第5章 神々の至宝
第6章 写経の美と名僧の墨跡
第7章 未来への祈り

このように、ほぼすべてが仏さま or/and 神さまにまつわる展示で、いかにも「奈良博の国宝展」だな と思いました。

そして、明治初年の廃仏毀釈の中、法隆寺が皇室に献納して現在は東京国立博物館法隆寺宝物館で収蔵・展示されているお宝たちの一部(竜首水瓶鴟尾形柄香炉伎楽面 呉公など)が、奈良に里帰りしているのが、なんだかほほえましい

奈良博の所蔵・収蔵品は別として、大好き天燈鬼・龍燈鬼立像(後ろから筋肉隆々の御御足プリケツを拝見するチャンス) は奈良博のお隣にある興福寺から「散歩してきた」みたいなものですが(東大寺手向山八幡宮春日大社「散歩」の範囲)、一番遠くから奈良にやって来たのは、岩手・中尊寺「金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅」「中尊寺金色堂堂内具」などのお宝でしょう。
経文宝塔を描いてしまうという「金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅」はもちろん、装飾経なんぞを観ると、発願者の祈りの気持ちが伝わってくる気がします。
なお、「装飾経といえば…」「平家納経」は、前日、日本国宝展@大阪市立美術館で拝見しました

この展覧会で展示されている「お宝」の中で一番古いモノは、上に載せたフライヤーの内側(縦開きです)の中央でドーン としている石上神宮「七支刀」でした。
教科書でも見た「七支刀」、そもそも、いつ・どこで造られたものなのか、「諸説あり」のようですが、この展覧会では「古墳時代・4世紀」とされていました。
それにしても、この変な鉄剣(失礼)は、どうやって造られたのでしょうか?
これまた「諸説あり」で、過去の復元制作では鍛造(飴細工のように地金に切り込みを入れて叩いて成形した?)と鋳造(これは楽そう)と、2種類の手法が用いられたらしい。

この展覧会で残念だったのは、大好き慶派の彫刻少なかったことでした。
でも、久しぶりに「重源上人坐像」にお目にかかれたのはうれしかった
この彫刻は、興福寺北円堂の無著・世親立像(今年東京国立博物館にお出ましになる)や、前日に「日本国宝展」で拝見した「鑑真和上坐像」(これは奈良時代の作品)と共に、実存した人物の肖像彫刻として日本が世界に誇れる彫像だと思っています

私は、この展覧会をみたあと立ち寄ったグッズ売場で、買ったのはポストカード2枚だけでした。
しかも、同じ仏像前面と背面のポストカード

この京都・宝菩提院願徳寺「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」は、初めて拝見したと思うのですが、その美しさ呆然としました

ちょっと厳しめとしたお顔だち魅力的ですが、なんといっても、これまで見たこともないような衣紋の表現素晴らしさよ (裏側に回っても拝見できる展示方法も Good Job)
この展覧会で一番の掘り出し物 といっても過言はないと思います
まさしく「有終の美」の仏さまでした。

こうして、再会あり初お目見えありで、満足のうちに展覧会場から退場したのでありました。

つづき:2025/06/10 大阪・奈良・京都のハシゴ旅 #2-3