「東京藝大美術館の2展は心穏やかに観られなかった(その1)」のつづきです。
東京国立博物館で開催中の特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」は、タダのキンキラキンの「お宝展示会」ではありませんで、展覧会のHPから転記すると、
1979年のソ連による軍事介入やそれに続く内戦により同館(アフガニスタン国立博物館)は甚大な被害を受け、その多くが永遠に失われてしまったとみられていました。 ところが、その貴重な文化財は、国立博物館の勇敢な職員たちにより、秘かに大統領府地下の金庫などに移され、その後14年もの間、静かに守り続けられていたことが2003年に判明します。 本展は、この秘宝の再発見を契機に、アフガニスタンの文化遺産復興を支援するために企画された古代アフガニスタンの歴史と文化を紹介する国際巡回展です。2006年のフランス・ギメ国立東洋美術館での開催以来、メトロポリタン美術館、大英博物館など、世界10か国を巡回し、すでに170万人以上が来場しています。
というもの。
特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」のことは稿を改めたいと思いますが、最後の「第5章 アフガニスタン 流出文化財」がへぇ~ でした。
アフガニスタン国内が混乱を極めていたさなか、アフガニスタン国立博物館や国内各地の遺跡から多数の文化財が略奪されました。 不法に国外に持ち出された文化財の一部はわが国にも運ばれました。シルクロードを生涯のテーマとして描き続けた日本画家でユネスコ親善大使を務めた平山郁夫氏は2001年、これらの「流出文化財」を「文化財難民」と位置づけ、ユネスコの同意のもと「流出文化財保護日本委員会」を設立し、 再びアフガニスタンに平和と安定が戻るまでわが国で保護することを提唱しました。同委員会は、これに賛同した人々から譲渡された文化財を保全管理し、必要に応じて修復を行いました。本展では、この機にアフガニスタンへ無事に返還されることになった102件のうち、15件が特別出品されます。
という次第なのですが、平山さんが中心となって、アフガニスタンから流失した文化財を蒐集・保護していることは私も知っていました。
ですが、里帰りが決まり、日本で保護されていた「流出文化財」が一堂に会して公開されるのは今回が最後だとは知りませんでした
そして、この場でもう一つ知ったのは、アフガニスタンに里帰りする「流出文化財」は、東京藝術大学でも展示されているということ
ということで、行ってきたわけです、東京藝術大学へ
東京藝術大学では、陳列館で「バーミヤン 大仏天井壁画~流出文化財ともに~」、
大学美術館では「いま、被災地から -岩手・宮城・福島の美術と震災復興-」が開催されています。
アフガニスタンと東北、地理的には離れていますが、そして人災と天災の違いはありますし、片や無料、片や有料の違いもありますが、どちらも手ひどい災禍に見舞われた国・地域です。
そして、奇しくも両展ともテーマは「文化財レスキュー」と「復興」。
どちらの展覧会も、ドシーン と心に響きました。性格の違う衝撃ではありましたけれど…。
まだ頭の整理がついていないものですから、遅々として筆が進みませんが、取り急ぎ書いておきたいのは、東京藝術大学で開催中の二つの展覧会はお薦めだということ、もしかするといつかまた観ることができるかもしれない「若冲展」よりも、こちらを観ておくべきではなかろうかということ。
今回の「若冲展」を観ることを諦めた僻みではありませんぞ
つづき:2016/05/25 東京藝大美術館の2展は心穏やかに観られなかった(その3)

